ロンドンガイド:クラリッジズホテル、英国靴チャーチズ(Church's)

70才のお母さまの誕生日のお祝いを兼ねて、ロンドン観光にいらした、頭の下がる親孝行のお客様のリクエストは、最高級レストランでのランチとギフト、加えてご自分用の靴の「単品購入お手伝い編」コースでした。

 

大観覧車ロンドンアイとテムズ川のクルーズをエンジョイした後、向かった先は、クラリッジズ(Claridge’s)ホテルのランチ。このホテルは、ヨーロッパの皇族と深い関係がある長い歴史を持っています。(下に美しい内装の写真あり。)

 

Claridge's Hotel Mayfair

1854年、小さなホテルを経営していたウィリアム&マリアーナ・クラリッジ夫婦は、隣5軒の建物を買い、1856年、現在のクラリッジホテルをオープンさせました。

  1860年代には、当時の英国女王、クイーンビクトリアとそのご主人アルバートが泊まったことをきっかけに、その名声が広がり、1940年代の第2次世界大戦中には、国外避難したユーゴスラビアの王を筆頭に、ギリシャ、ノルウェイ、オランダの王や女王が長く滞在しています。

 特にユーゴスラビアの王の息子がこのホテルのスイートで生まれた際、ユーゴスラビアの一握りの土がベッドの下に置かれ、当時の首相チャーチルの粋な計らいで、この212号室のスイートルームはユーゴスラビア領であることが宣言され、無事、この王子はユーゴスラビアの土の上で生まれたことになったのです。

 また最近の話では、ケイトモスが30才の誕生日を’30年代のスイートルームで、30時間、30人のスタッフ、30種類の料理、30種類のシャンペンで祝ったそうです。


 

さて、説明が長くなりました。その古い歴史とアールデコの内装のホテルでのランチへ、私たちもワンピースでちょっとおめかしして出かけました。少なかったお客さんも1.30pmのアフタヌーンティの時間になると、ピアノと弦楽器で音楽も加わり、ドレスアップした女性たちで、リーディングルームの席は満席になりました。あちこち(トイレも含む) 赤いバラの花が飾られ、私たちゲストを特別な気分にさせてくれます。

 

食事が終わると、こっそりお願いしていた、キャンドルの灯がついた小さなケーキが現れ、お母様もハッピー。願い事を祈った後、お母様が火を吹き消します。私も70才になったときに、海外の高級ホテルで誕生日を祝ってくれる人がいたらこんな幸せなことはないなぁと考えました。

その後、お母様が気に入られたふわふわのキャメル (ラクダの赤ちゃんの毛)入りモーブ色のベストと、ご本人様リクエストのChurch’sの靴の「単品ショッピング」へ。

Church's ladies shoes
フラッシュで白けてますが本当は深いいい色です。

Church’sの靴の歴史も古く、1873年の創業、1881年のクリスタルパレスでの大博覧会で、初めて左右の違う(当時は左右の靴の違いがなかったそう)、また6種類の幅の違う靴に金賞が与えられて以来、そのChurch’sの靴のクオリティーの名声は世界に広がっています。

 

世界に100店舗以上のお店があるそうですが、レディス専門店は、このニューボンドストリートにただ1店舗しかありません。 前もって取り寄せてもらっていた靴が残念ながら小さかったので、お店のスタッフが別店舗に走って取り寄せてくれ、お客様ハッピーに2足もお買い上げ。日本での金額を考えると1.2足分で、2足買えますから、やはりこの機会は逃せません。

 この後、念願のコンサートに向かわれるまでの、駆け足での観光、ランチ、ショッピングの1日でした。いやー、でも親孝行な娘を持つとこんな幸せな経験ができるのかと私も大反省の1日でした。でも、他人様のお母さまの幸せの応援で、お母さん許して。