「バリュー」または、「バジェット」服のブランドと称されるPrimark(プライマーク)。
350人にも上る死者を出した4月24日(水)のバングラディッシュの縫製工場の崩壊の前日、ファッションニュースは、Primarkの抜きんでる売り上げ、英国内からヨーロッパへの進出の成功を報じていました。
(この3月までの6か月間で、24%の売り上げ向上。スペイン、ドイツ、オーストリア、オランダにこの期間で新規15店舗がオープンした。その売り上げは、昨年の3億2900ポンドから、今年同時期、4億1500万ポンドに。)
この縫製工場で作っていたのは、Primark, Bonmarche , (間接的に)Mangoが関わっていたことがわかっています。
アソシエイツ・ブリティッシュ・フードを親会社に持つこのバジェット(格安)ブランドPrimarkの価格帯は、(写真参照)
サングラス 1ポンド(153円)、
ネックレス 3ポンド(459円)、
ボンバージャケット 18ポンド(2754円)、
パンツ 12ポンド(1836円)、
ヒール 12ポンド(1836円)
ファッションの流行のサイクルがますます速くなる近年、使い捨てもできるその安いファッションへの強い需要が、工場への強いプレッシャーとなっているようです。
警察からの避難命令にもかかわらず、工場の責任者による勤務続行の決定から、そのプレッシャーが伺えます。
バングラデシュのGDP(国民総生産)は、82%を縫製業に頼り、なんと5500もの工場が、月給25ポンド(3800円)で、世界の安いファッションを供給しています。(日給でなくて、月給です。)
イギリスの労働の権利のキャンペイナー(Labour rights campaner)によると、「西洋のブランドは、いまだに、安全でない労働環境から身を守る活動をするユニオンや、労働組合を含む工場との契約を拒否する」そうで、これは「信じがたいことだ」と言っています。
この記事を書いたファッションエディターは、「Primarkで私が買い物をしない理由」として、この記事を書いていますが、今後、この大惨事からPrimark の服を買うことを止める人がいるかどうか? その労働風景が店舗内で大型スクリーンで見せられない限り、この惨事から買い物客を気づかせることは難しいでしょう。
商品代金を上げて、工場への支払を上げれば、工場の労働環境が変わるかしら? 要は、工場のマネジメントの意識改革から始める必要があると私は思うのです。
それには、やはり西洋側の発注者の意識改革から入る必要があるとも言えます。発展途上国を利用してはいけません。